こんにちは、naoです。
アメリカで実施されたファイザー製のコロナワクチンの
子供への投与の安全性と有効性を確認する
第Ⅲ相の臨床試験結果が先程NEJMオンライン版に発表されました。
この記事では、
・16歳未満のワクチン接種は効果あるの?
・子供にワクチン接種をして安全なの?
総合内科専門医のnaoが
そんな疑問に答えて行きたいと思います。
第Ⅲ相国際無作為化プラセボ対照試験
方法
12歳以上の被験者2260人を1対1の割合で無作為に2群に分けて、
一方にはファイザー製のワクチンを
もう一方にはプラセボ(偽薬)をそれぞれ2回接種した。
ワクチンの安全性と16歳~25歳と比較して非劣性かどうか検討した。
結果
・安全性
副作用は注射部位痛(79~86%)、疲労感(60~66%)、頭痛(55~65%)など軽度~中等度で、重度の副作用はほとんどなく死亡例もいなかった。
・有効性
新型コロナウイルス感染はワクチン接種群では認められなかったが、
プラセボ群では16例で認められ、比較すると有効性は100%であった。
16歳~25歳と比較して、12~15歳の方がより2回接種後の中和抗体が産生されたことが示された。
※中和抗体:病原(新型コロナウイルス)の活動を抑える抗体
まとめ
12歳~15歳の子供にファイザー製のワクチンを接種した結果、
安全性としては、
軽度~中等度の副作用は他の年代と同様多いものの、重症の副作用はない
有効性としては、
100%の感染予防効果が示され、16歳~25歳に比べて中和抗体が多く作られた
個人的な見解
有効性100%との結果でしたが、
プラセボでも16人と少数の発症と比べて0人であっただけで
ワクチン打ったから100%感染しないというわけではないので注意が必要です。
またこの試験では85%が白人で、アジア人は6%程で実施された試験であり、
そのまま日本でも同様かは不明ですが、
16歳以上と同様に、有効性、安全性も海外と変わらないことが予想されます。
15歳以下の子供は新型コロナウイルスに感染したとしても重症化すること自体頻度は多くないのが現状です。
しかし、問題となっているのが、子供が感染を家庭内に広げてしまい、
同居している高齢者などに感染させてしまう
家庭内クラスターです。
学校でのクラスターが報告されており、子供のワクチン接種も重要ですが、
それ以上に重症化しやすい中高年者のワクチン接種、リスク因子を持った人のワクチン接種がやはり重要だと考えられます。
現在の方針では15歳以下のワクチン接種の予定はないようですが、
今後ワクチン接種が進めば、15歳以下もワクチン接種の対象となるかもしれません。
ワクチン接種が進めば、部活や林間学校などの学校行事も緩和される可能性もあるかもしれません。
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それではまた。
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